最終更新日:2026年4月15日
eBay輸出における関税負担方式の選択(2026年版)
eBayで米国向けに商品を発送する際、「関税をどちらが負担するか」という選択が必要です。これが「関税元払い(DDP:Delivered Duty Paid)」と「関税着払い(DDU:Delivered Duty Unpaid)」の違いです。
2025年10月17日から、日本→米国の発送で商品価格$2,500未満の取引では関税元払い方式が義務化されました。関税着払い方式を続けると、アカウントにDefect(欠陥評価)が付くリスクがあります。
この記事では、関税負担の仕組みの違い・義務化の影響・どちらを選ぶべきかを、2026年現在の最新情報をもとに初心者向けに解説します。
結論から言うと、2026年時点で日本→米国向け発送を行う場合、関税元払い方式(CPaSS経由)の対応が必須です。以下で詳しく見ていきましょう。
① 関税元払い(DDP)と関税着払い(DDU)の基本的な違い
関税元払い(DDP)とは何か
関税元払い(DDP:Delivered Duty Paid)とは、輸入時にかかる関税をセラー(日本側の出品者)が負担する方式です。バイヤー(購入者)は商品代金と送料のみを支払い、通関時に追加の支払いが発生しません。
この方式では、商品が米国に到着する前に関税が計算され、セラー側で前払いします。バイヤーにとっては「購入時の金額以外に請求が来ない」というメリットがあり、受取がスムーズです。
(参照:eBay Japan DDP情報ページ)
関税着払い(DDU)とは何か
関税着払い(DDU:Delivered Duty Unpaid)とは、関税をバイヤー(受取人)が負担する方式です。商品が米国に到着したとき、バイヤーは配達員に関税を支払ってから受け取ります。
2025年10月17日以前は、eBayで一般的に使われていた方式でした。しかし義務化以降、日本→米国で商品価格$2,500未満の取引では使用できなくなりました。
2つの違いを表で比較

| 項目 | 関税元払い(DDP) | 関税着払い(DDU) |
|---|---|---|
| 関税負担者 | セラー(日本側) | バイヤー(受取人) |
| バイヤーの追加負担 | なし | あり(通関時に支払い) |
| 2026年現在の対米発送 | ✅ 義務化($2,500未満) | ❌ 使用不可 |
| Defectリスク | 低 | 高(関税未払いによるINR) |
| 対応ツール | CPaSS(Orange Connex) | 対応不要 |
※この表は2026年4月時点の情報です。
② 2025年10月17日から施行された関税元払い義務化の詳細
義務化の対象取引
2025年10月17日から、日本→米国への発送で商品価格$2,500未満の全取引が関税元払い方式の対象になりました。送料は含まず、商品本体の価格で判定されます。
例外として、Authenticity Guaranteeプログラム(真贋鑑定サービス)対象商品は対象外です。それ以外の商品は、すべて関税元払い方式で発送する必要があります。
(参照:eBay公式 DDP義務化ポリシー)
関税着払い方式を続けた場合のリスク
義務化以降も関税着払い方式で発送した場合、以下のリスクがあります:
- バイヤーが関税を支払わず受取拒否 → Item Not Receivedクレーム
- eBayの判定でセラー不利になり、Defect(欠陥評価)が付く
- 関税関連のNegative/Neutral Feedbackの削除可否はeBay公式ポリシーで要確認
- Defect増加でSelling Restriction(販売制限)の可能性
関税を理由にしたトラブルは「セラーが義務化ポリシーに違反した」と見なされるため、アピールが認められません。アカウント保護のため、必ず関税元払い方式に対応しましょう。
発送方法は変わらない(重要)
関税元払い方式になっても、発送方法自体は変わりません。EMS・FedEx・DHLなど従来通りの方法で、日本からバイヤーへ直接発送できます。
「eBay International Shippingの指定倉庫へ発送が必須」という情報は誤りです。関税元払い方式とは「関税を誰が負担するか」を指定する貿易条件(インコタームズ)であり、配送ルートが変わるわけではありません。
③ CPaSS(Orange Connex)を使った関税元払い対応の具体的な手順
CPaSSとは何か
CPaSS(シーパス)は、eBayが提供する公式の越境配送プラットフォームで、関税の計算・前払いにも対応しています。Orange Connexが運営しており、セラーがHTSコード(商品分類コード)と申告価格を入力すると、関税額を自動計算して前払いしてくれます。
(参照:CPaSS公式サイト)
CPaSS登録の手順
- CPaSS公式サイト(https://cpass.ebay.com/)にアクセス
- 「Sign Up」からアカウント作成
- eBayアカウントと連携(eBayログイン情報で認証)
- 銀行口座・クレジットカード情報を登録(関税の支払い元)
登録自体は手順通りに進めるだけで完了できます。繰り返すうちに自然と速くなります。
発送時の申告情報入力
CPaSSで関税元払い発送を行う際は、以下の情報を入力します:
- 商品価格(購入金額)
- HTSコード(10桁の商品分類コード)
- 原産国(商品がどこで作られたか)
- 発送方法(EMS・FedEx・DHL等)
HTSコードは米国関税の分類コードです。正確に入力しないと関税額が変わるため、米国HTS公式サイト(https://hts.usitc.gov/)で確認しましょう。参考として、多くのセラーはHTSコードリストを作成して再利用しています。
関税の計算・支払い・還付
CPaSSは入力情報をもとに関税額を自動計算し、登録済みのクレジットカード等から前払いします。実際の関税額が計算額より少なかった場合、過払い分は約1ヶ月でCPaSSアカウントに自動還付されます。
バイヤーは通関時に追加の支払いが不要になるため、受取拒否やクレームのリスクが大幅に減ります。
④ 関税コストをどう価格に反映するか
関税率は商品により大きく異なる
関税率はHTSコード(商品分類)により大きく異なります。具体的な%数字は商品・原産国によって変わるため、必ず米国HTS公式サイト(https://hts.usitc.gov/)またはJETRO(https://www.jetro.go.jp)で確認してください。
関税額は「商品価格×関税率」で計算されますが、正確な金額は事前に確定できません。通関時の実際の判定により変動する可能性があるためです。
販売価格への上乗せが基本
関税コストを吸収するため、一般的には以下の方法で対応します:
- 関税率(概算)を商品価格に上乗せして販売価格を設定する
- 利益率計算時に「約20%のコスト」として関税・手数料・送料を織り込む
- CPaSSで実際の関税額を確認してから、次回の価格設定に反映する
参考として、関税コストを価格に含めることでバイヤーは「総額がいくらか」を購入時に把握でき、安心して購入できるというメリットがあります。
利益計算例(概算)
| 項目 | 金額例(参考値) |
|---|---|
| eBay販売価格 | $50.00 |
| 設定送料 | $15.00 |
| 販売手数料・出金手数料など(約20%目安) | ($50+$15)×約20% ≈ $13(手数料は合計でざっくり約20%) |
| 実際の送料(EMS) | 約$22(3,300円) |
| 関税コスト(CPaSS) | 約$5(概算) |
| 仕入れ値 | 3,000円 |
| Payoneer手数料(約2%) | 約120円 |
| 概算利益(参考値) | 約2,000円(為替・関税により変動) |
※この計算はあくまで概算です。関税額はHTSコードにより大きく異なり、事前に確定することが困難です。実際の利益はPayoneer手数料・梱包資材費・為替変動によっても変わります。
⑤ 2026年現在、どちらを選ぶべきか(結論)
関税元払い方式が必須である理由
2026年現在、日本→米国向けの発送で商品価格$2,500未満の取引を行う場合、関税元払い方式(CPaSS経由)の対応が必須です。理由は以下の通りです:
- 2025年10月17日から義務化されており、関税着払い方式は使用不可
- 関税着払い方式を続けるとDefect(欠陥評価)が付き、アカウント制限のリスク
- バイヤーにとって追加負担がなく、受取拒否・クレームが減る
- CPaSSを使えば関税計算・支払いが自動化され、手間が少ない
「関税元払い方式に対応するのは難しそう…」と不安に感じる方も多いですが、CPaSSの登録は手順通りに進めるだけで完了します。一度設定すれば、発送のたびに自動で関税が処理されるため、むしろ関税着払い方式より管理が楽になります。
こんな人は関税元払い方式に対応すべき
- 2026年以降も日本→米国向けの発送を続けたい
- アカウント評価を守り、長期的に運営したい
- バイヤーにスムーズな受取体験を提供したい
- 関税トラブル・クレーム対応を減らしたい
上記に当てはまる方は、すぐにCPaSSの登録を行いましょう。関税元払い方式への移行は、2026年時点で「選択肢」ではなく「必須対応」です。
よくある質問
Q1. 関税元払い方式にすると、発送方法が変わりますか?
いいえ、発送方法は変わりません。EMS・FedEx・DHLなど従来通りの方法で、日本からバイヤーへ直接発送できます。関税元払い方式は「関税を誰が負担するか」を指定する貿易条件であり、配送ルートは変わりません。
Q2. CPaSSの利用に手数料はかかりますか?
CPaSSの利用自体に手数料はかかりません。セラーが負担するのは「関税額」のみです。関税額はHTSコード・商品価格・原産国により異なります。
Q3. 関税着払い方式を続けるとどうなりますか?
2025年10月17日以降、日本→米国で商品価格$2,500未満の取引に関税着払い方式を使うと、eBayのポリシー違反となります。バイヤーが関税を支払わず受取拒否した場合、Defect(欠陥評価)が付き、アカウント制限のリスクがあります。
Q4. 関税額はどうやって計算すればいいですか?
関税額はHTSコード(10桁の商品分類コード)により異なります。CPaSSに商品情報を入力すると自動で計算されます。米国HTS公式サイト(https://hts.usitc.gov/)で事前に確認することもできますが、正確な金額は通関時に確定します。
Q5. 関税元払い方式にすると利益が減りますか?
関税コストは販売価格に上乗せして設定するため、利益率自体は大きく変わりません。むしろ関税着払い方式でバイヤーが受取拒否した場合のDefectリスクを避けられるため、長期的にはアカウント評価を守ることができます。
まとめ
eBayの関税元払い方式(DDP)と関税着払い方式(DDU)の違いは、「関税を誰が負担するか」という点です。2025年10月17日から、日本→米国向け発送で商品価格$2,500未満の取引は関税元払い方式が義務化されました。
2026年現在、どちらを選ぶべきかと言えば、関税元払い方式(CPaSS経由)の対応が必須です。関税着払い方式を続けるとDefect(欠陥評価)が付き、アカウント制限のリスクがあります。
CPaSSを使えば、関税計算・支払いが自動化され、バイヤーにスムーズな受取体験を提供できます。登録は手順通りに進めるだけで完了するため、初心者でも対応可能です。
関税コストは販売価格に上乗せして設定し、利益率を守りましょう。関税率はHTSコードにより異なるため、米国HTS公式サイト(https://hts.usitc.gov/)で確認してください。
2026年以降も安全にeBay輸出を続けるために、今すぐCPaSSの登録を行い、関税元払い方式に対応しましょう。
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